恋と仕事とダイエットとストレスと。

　18時（211kcal）　
　みかん/コーラ


この日はお休みだったのでお出かけした。

用事はなんだったかは忘れた。
しかし、何かしら用事があったと思う。
ハルちゃんはお出かけも電車も嫌いだから、二人で無意味に出かけることはないのだ。

ご飯を食べようと言う話になって、ヒマワリが決めていいことになった。

お互いに収入のある普通のカップルがランチをして、予算はいくらくらいなのだろう？
収入金額にもよるし、地域にもよる。
それを考慮しても、ハルちゃんは相当贅沢なものしか食べない。

ハルちゃんは大体お店で一番高いものを選ぶし、
ランチが１５００円くらいでも普通と思っている。
地域差だけでなく、普通は自分の収支に見合ったものを選ぶはずだ。
ハルちゃんにその能力はないし、面倒なことを言われるくらいなら食べなければいいと言う。
発達障害と言うのはそういうことだ。

　お寿司だったらいくらでも食べるよ。
とか
　お金のことを考えると意味が分からない。
とか
　味覚が敏感だから仕方ない。
と言う。

一流だとか二流だとか、ものすごく偉そうに言うのだけど、
まぁ一般的な社会人であるなら、そういうことを言われたら誰でもムカつくと思う。
お金持ちなら怒らないかもしれないけど、ヒマワリは貧乏なうえに一人暮らしなのだ。
ありがとうより先に、二流だとかまぁまぁだと言われるのは嫌だろう。

　母親の舌はバカなんだ。
ゲスなんだ、自分自分だから、文句しか言わない、ゴミクズだ、等々。
ハルちゃんは四六時中そういうことを言っている。
養ってもらっているのだから文句を言うなとは思わない。
しかし、相手をゴミクズ呼ばわりするのは「変」だ。
発達障害とはそういうことなのだろう。

ちょっとは我慢してよとか、ごちそうさまと言えと伝えるのが正しいのだろう。
発達障害と付き合うってのはそういうことだ。
でも私は、誰かに強要された謝意や謝罪には意味がないと思う。
ヒマワリが行きたいから行ってやってるとは言うが、ごちそうさまは言わない。
味覚が敏感だけど、我慢して食べてやっているくらいの話なのだろう。

そこでヒマワリが到達した結論は、バイキングスタイルの店に行くことだ。

私とハルちゃんが値段の違うものを選ぶこともないし、いくら食べても値段は同じだ。
おいしくないとか、イマイチと、文句を言われても、バイキングとはそういうものだと思える。

　例えば餃子の王将に３回行くのと、高級中華料理に１回、どちらがいい？
　高級中華。

ヒマワリは餃子の王将に３回行く方がいいが、高級中華の方がいいならそれでもかまわない。
どのみち私の舌はバカだし、食べることにそれほど執着なんてないのだ。
イライラしたり悲しくなる必要がない選択を最初から選べばいいのだ。

合わせてあげたとか、ヒマワリの好きな方でいいよとか、ハルちゃんは言う。
考えてくれているのはわかるが、結果的にイライラする。
多分そこら辺を正直にハルちゃんに伝えたら、
　それなら食べない。　と、言うだろう。

舌がバカだと思われても、女子として品がないと思われても、
自分がやったことにイライラするよりは、よっぽどいい。

私も我慢しない、ハルちゃんも我慢しない。
それが一番いいと思うけど、結局お互いに我慢している。

この頃は過呼吸みたいになって辛かったが、ハルちゃんも辛かっただろう。

ケンカをするのが嫌だと言うハルちゃんからは、今までに何度か別れを告げられた。
ハルちゃんは、「いつかは自分が捨てられる」とずっと思っているそうだ。
この頃それを聞いてから今でも、別れると言われる前提で物事を考えている。
結局私はこの先も、信用されることなどないことがわかったからだ。

私たち二人に永遠なんてないし、未来なんてない。
明日死ぬかもしれない人間が、未来のことなんて考えない。
だから今ベストな選択を選んでいくしかない。
開き直ると言うのはそういうことだ。



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