恋と仕事とダイエットとストレスと。

　18時（147kcal）
　サッポロ　ドラフトワン３５０ｍｌ

　19時（1,439kcal）　
　キムチ鍋/雑穀ご飯/生卵/サッポロ　ドラフトワン３５０ｍｌ×３本

　21時（490kcal）　
　カンパリ/梅酒/東京バナナ1個/ごまたまご/栗まんじゅう


グシャリグシャリと潰れる音がする。

ヒマワリがずっと信じてきたことは、小さな善意の集合の力だ。
そういうものをハルちゃんは、ゴミクズみたいな扱いをする。
どうせ無駄だとか、意味がないとか、せせら笑う。

そういうとき、自分の中の何かが泥団子を踏みつぶされたみたいな気持ちになる。

ヒマワリはずっと色んなことに期待していなかった。
ノストラダムスの予言で自分も死ねると思っていたし、
実際に世界の終わりが来なかった今だって、明日死ぬことをいつも考えている。

それでもいつもどうにかこうにか自分を支えてくれているのは、
自分のする本当に小さな小さな、世の中にとっては役に立たないようなことの意味だ。
誰かが「ヒマワリがいてよかったよ」と言ってくれたり、「ありがとう」と言ってくれる。
そういう本当に小さな何かが私をどうにかこうにか生かしてくれてきた。

それは世界にとってみれば塵のような小さな小さな些細なことだ。

世界を憂うなんて、それは本当に贅沢で傲慢な考えであることもわかっていて、
それでも私はいつだって世界を考えて、どうしようもなく悲しくなる。
そして、自分が消えてなくなってしまえば、話は一番早いという考えに行きつく。

どんなに小さな者が足掻いても、どんなに立派なことを並べてみても、
世界なんて動かせやしないし、自分の中にある悲しみが消えることだってないのもわかる。
小さな生き物や植物は、傲慢な生き物たちに殺され、種族を断絶させられている。
私が電気を使って、無駄なカロリーを使って考えている今この瞬間だって。

そして私は生きている。
それは、本当に悲しい事実で、座り込んで泣き出したくなる。

それでも生きているのは、なんとか立っているのは、
小さな小さな塵みたいな善であろうと思えることを行うためだ。

世界を救うことにもならないし、意味だってないかもしれない。
誰かを一瞬楽にすることにもなっていないのかもしれない。
でも、それだけが私の、唯一の、生きている意味だ。

苦しくて悲しくて辛くて、吐いてしまうことだってある。
それでも生きているのは、力なき生き物だって、必ず意味があると信じているのだ。
それを誰かに笑われても、ゴミクズみたいに扱われたって、私の生きる意味なのだ。

日本に生きていて、何かを悲しむなんて、贅沢な話だ。
私は何も為せていないし、何かを壊していることの方が多い。

「正しいことは、いつだって“正しい”と言ってもらえるわけではない。」
「時代が変われば、善も悪もひっくり返るし、強きものが正しくなる。」
「周りの人間全てが間違っているとお前を指差しても、意見を言う勇気を忘れるな。」
そう親に教わったのだから仕方ない。
頭の狂った親のせいなのだ。だから私の頭がおかしいのも仕方ないのだ。
それを考えるとちょっと笑えたりする。

グシャリグシャリと潰れる音がする。
大切にした何かが、身近な誰かにつぶされる音がする。
それでも私は泥の団子を作り続ける。
そんなのは今までだって何度も何度もあったことだ。
３０年以上作り続けてきた泥団子。

死ぬまでつくろう。
その日が近づいても、最期の最期まで作り続けるのだ。

小さな力の意味はある。必ずどこかにある。
今、目の前に見えなくても、どこかで誰かが見ている。



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